◆小児歯科(主に0歳から10代まで)

◇怖くない歯科医院にするのは親次第

いくつになっても歯科医院は怖い。 何されるんだろう??? 痛いのかな??? そう考えただけで体はガチガチ、心臓バクバク、足には力が入らず、やっとこさで歯科医院に電話、ということになります。
ところがお母さんの気持ち一つで、こどもにとって歯科医院が生涯にわたって嫌なところではなくなるのです。
小児歯科の対象になるのは生後間もなくから歯のほぼ永久歯に生えかわる中学生くらいまでのこどもまでです。
小児歯科といっても特別なことをするわけではありません。 むし歯があれば治療をします。 むし歯がなかったり、治療が終われば引き続いて予防をしていきます。
ということで、このページでは、小児歯科の中でも就学前の子供の歯科についてお話しましょう。

◇治療編

みつもり歯科医院のこどものむし歯の治療方法は他の歯科医院と少し違うかもしれません。

むし歯治療の基本は痛くないこと。 小さい時に怖い思いをしたら一生歯医者嫌いになります。

 

生涯にわたって歯の治療をまったく受けずに済む人は皆無といっていいでしょう。

ところが歯医者いは、大人になってから必要なときに必要な処置を進んで受けようとしません。とことん状態が悪くなりきるまで先延ばしにするようになってしまう。早期に治すチャンスがあったのに自らそれをつぶしてしまう。

これが一番の問題なのです。

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みつもり歯科医院ではこういうおとなができるだけ少なくなって欲しいと思っています。

それには、子供のうちに嫌な思いをなるべくしないことが大切です。

これを解決する治療方法が左写真です。

治療方法はだれにもできるきわめて単純なものです。

若干の違和感を生じたり、苦味を感じます。

比較的回数がかかります。

すべての歯がこれですべて治るわけではなく、こどもにがんばってもらわなければならない場合もあります。

しかし、多くの子供が痛い思いをせずに、 最数的な治療まで移行できる治療です。

簡単には比較できませんが他の歯科医院に比べて、麻酔をする、神経を抜くといった嫌な処置をあまり経験せずにすむ、よりよい方法ではないかと思っています。

◇予防編

小児の予防歯科の目的は成人にもあてはまりますが

①新しくて正しい知識を保護者に提供

②定期的に繰り返す予防処置

③予防のために生涯にわたって定期的に歯科を利用する習慣作り

がこの時期に特に大切です。

◇小児(就学前まで)の予防

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歯科医院での予防処置は難しいことはありません。

まず最適な歯ブラシを選択し歯磨きをしてあげます。繰り返すことで、正しいみがき方、磨いた後の爽快感がどんなものであるかを体にしみこましていきます。

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つづいて奥歯に限ってサホフロスという処置をします。糸ようじ(デンタルフロス)にサホライド(フッ化ジアミン銀)というフッ素と銀を主成分とする薬剤をしみこませ、歯と歯の間に作用させることで初期むし歯があった場合(歯と歯の間なので確認できないことがほとんど)には作用します。

最後にフッ素を塗布します。一番効果があるのはフッ素洗口やフッ素含有の歯磨き剤ですが、濃いフッ素を塗布することでより高い効果が期待できます。

◇歯の溝へのむし歯予防

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奥歯は溝がありますが、とりわけ生えたての6歳臼歯は溝が深いものが多いので、削らずに溝を埋めてむし歯の発生を防ぐむし歯予防(シーラント)を施すことも積極的に行います。

 

以上とても簡単ですが、これがすべてではありません。

もっと大切なことがあります。

保護者から食事を含めた生活の聞き取りをします。

そして生活習慣のアドバイスや予防の正しい知識を毎回少しづつ提供することで、むし歯になりにくい健康な生活を提案していきます。

ここまでが小児の予防歯科です。

ちなみに小学生は永久歯の萌出状態によって成人型と小児型を使い分けます。

◇スイッチが入る1

M家のmさん(みつもり歯科医院では「~ちゃん」とは呼ばない)は2歳のときからみつもり歯科医院をむし歯予防のために利用して下さっています。

お母様自身医療に携わっておられることもあって予防歯科には特に関心をもっておられ、今日まで途切れることなく通院してくださっています。

よくお友達から「むし歯がなくてフッ素だけ塗ってもらうんだったら近くの歯科医院でいいんじゃないの」と言われるそうです。
でもお母様は何軒も歯科医院を通り超えてみつもり歯科医院へおいでになります。それは、

◇単にフッ素を塗るために歯科医院を利用するのではなく、みつもり歯科医院での歯を守るための知識やアドバイスがとても重要なのだということが十分理解できていらっしゃる。

◇そして生涯にわたって自分の口は自分で守れる大人になるようにする。そして歯を守るためには自分だけでは十分ではなく、歯科医院と共に守っていくということ。そのために歯科医院に予防のために通院するのが当たり前の習慣なのだという意識の持てる大人に育てる、というみつもり歯科医院の考え方を理解して下さっているからです。

しかしmさんはそれは私の開業医人生のなかでも、それはそれは強力な女の子でした。
内科での予防注射でも涙一滴流さないmさんが泣きながら身を反らせて怒る暴れる、とそれはそれはすごいものでした。
その理由がフッ素が美味しくないというもの。

いつこの先の見えないトンネルから抜け出せるのか、私たち歯科医院も、お母様も毎回不安を抱えながら、予防に臨んでいたのですが、転機は4歳になってすぐ訪れました。

 

4歳を過ぎてはじめの予防の日、それまでずっとお母様の膝の上だったのが、なんとひとりで座るというではありませんか。

それから以降は、今までとは打って変わって協力的に、というかそれ以上に楽しみにしておいでになるようになりました。

 

そう、mさんにスイッチが入ったのです。

 

もうそれからは、来るたびにニコニコ。たくさんの質問をぶつけてきたり、乳歯がちょっとぐらぐらしても大好きなお肉が食べられないからと、自ら歯を抜きたいと言い、抜いた後は自宅の鏡の前でにんまりしたり・・・なんてちょっと不思議系に変身していってます。

◇スイッチが入る2

Eさんのご一家は4人家族。

 

全員がみつもり歯科医院にメインテナンスに来てらっしゃいます。

 

長男のa君は3歳のときから、次男のn君は1歳から定期的に予防を始めました。

A君は長男らしく多少デリケートなところもありましたが、最初から特に問題なく予防に通ってくださっています。

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ところが次男のn君は最強!

何が嫌なのか、すべてが嫌なのかは分かりませんが、お母様の膝の上で泣き叫ぶは、暴れるはでそれは毎回大変でした。

 

お母様はこちらのことを気遣ってかこちらが申し訳なくなるくらいに「すみません、すみません」とおっしゃってました。

そしていつまでこういう状態が続くんだろういう不安で一杯なようでした。

それでも、むし歯のない健康な口であって欲しいとの母の強い気持ちから、決して挫折することなく今日まで二人を連れてみつもり歯科医院に通い続けました。

 

次男のn君が4歳になって始めての予防の日、びっくりすることがおきました。

一人で診療台の椅子に座っているではありませんか。

 

そうn君にスイッチが入ったのです。

 

予防することが当たり前、自分の口は自分で守る、みつもり歯科医院に予防のために通い続ける、自分の口は歯科医を利用して守る、という予防の基本的習慣がN君にきちんと刷り込まれた瞬間でした。

そう!

二人とも4歳になっってスイッチが入ったんです。

◇二人に共通なこと

二人に共通な点がいくつかあります。

  • 一つ目はご両親、特にお母様が歯科に関心があり、お子さんが将来歯科疾患で苦労しないよう今から予防をしたいと常々思っていること。
  • mさんは2歳、n君は1歳と、早い時期から予防を始めていたこと。
  • お子さんお二人とも予防歯科を受けるのは嫌だけど、完全に拒否してはおらず、家では歯科のことが話題になったりすることが時々あったということ。
  • 歯科の名前を出して怖がらせたり、言いなりにする手段に使わなかったこと。
  • そして、最大の共通点は4歳になると間もなく、自ら進んで診療台に上るようになったことです。

◇4歳以降の初診

もちろん、4歳を過ぎて初めて受診であるとか、前に他院に通院していたこどもの方が多いです。診療自体はきちんと受けられる子供がほとんどですが、残念ながら何回受診しても、絶えずどこかおどおどしていて、歯科に対して何らかの不安や怖さを払拭できないでいるようにみえます。

 

1,2歳の低年齢から当院で予防処置をはじめて4歳を迎えたお子さんが歯科に対して怖いとか嫌だとか思わないところが、4歳を過ぎてから当院を受診した子供と一番違う点ではないかと思っています。

◇怖くない歯科医院であるために協力してください

怖くない歯科医院であるために、ご家族のご理解やご協力がどうしても必要です。

まず、メインテナンスを休まないでください。

体調が悪いなどがあれば、多少先に延ばしてもかまいません。

泣いて嫌がってもかまいません。

 

家庭の都合や、体調が悪くなったり、気分が乗らないことなど通院の途中には、さまざまな壁が現れることはしばしばあるでしょう。

それでも、保護者がお子さんを連れて中断することなくメインテナンスに通って下さったら、どのお子さんも歯科医院が怖いというイメージは絶対に持たなくなります。

 

保護者の都合だけで中断したり、何度も予約日を忘れたりするのだけは絶対にしないであげて下さい。保護者自身がこの通院し続けるという過程がとても大切なのであるということをわかっていただきたいのです。

保護者であるお母さん、お父さんはじめご家族の強い気持ちが、お子さんに「歯科医院は怖くない」、「歯科医院は嫌なところではない」そうすれば「一生快適な口で美味しく食事ができ、健康な生活を続けられる」という大きな財産をプレゼントしてあげることができるのです。